「ねえ、もしも、もしもの話なんですけど」
「うん」
「ひょっとしてもしかすると……いえ、そんなこときっとないと思うし、勘違いも甚だしいと思うんですけど」
「なんだよ」
「…笑いませんか?」
「いいから言ってみろよ」
「………ドキンちゃんってひょっとして、わたしのこと、まさかとは思いますけど、もしかして」
「……」
「す、好き…なんでしょうか……」
「」
「いえ、そんなまさか、ね、でも、これまでのドキンちゃんのことを考えると、どうしてもそういう風に考えちゃって、でも、でもやっぱりちょっと考えすぎかなとも…」
「あ…」
「?」
「あほーーーーーーー!!!」
「! そっ、そうですよね! やだわたしってば自意識過剰ですよねえあはははは恥ずかしい!! 忘れなさいカレーパンマン今すぐに!」
「あほ、あほ、あほぉおおおおおおーーーーーーーっ!!!!」
「なっ、なっ、な! なにもそこまで言わなくてもいいじゃないですかーっ!! これでも一晩中ずっと悩んでたんですからね!! 笑わば笑えぇ!!」
「あはははははははあほおおおおおお!!!」
「笑うか馬鹿にするかどっちかにしたらどうですかっ!」
「あほ!このあほっ!!トースターでこんがり焼かれちまえ!!」


「ああしょくぱんまん様しょくぱんまん様……」
想い人を模ったお手製の人形を抱きしめてから、脇に手を差し入れて高い高い。ドキンちゃんはにこりと笑った表情の人形を通し、かの人物に想いを馳せる。
「どうしてあなたはしょくぱんまん様なの……」
うっとりと呟くドキンちゃんの隣に座り込む、彼女の唯一無二の親友は、この問いは他人には答えられない類のものだと知っている。知っているのだが、ある意味では、彼に会った人なら誰でもその答えを知っていて当然だったため、どうにもこう独り言してしまうのを止められない。
それ即ち、
「しょくぱんでできてるからなのだ…」