「アンパンマンがおとうさんで、おねえちゃんがおかあさん!」
「わかった」
「うん、いいよ」
「あたしがお姉ちゃんで、しょくぱんまんが弟で」
「おや、わたしにお姉さんぶりたいんですか?」
「えへへ。カレーパンマンはわんちゃんね」
「いぬ!?」
「おや、カレーパンマンに飼い主ぶりたいんですか?」
「えへへ」
「同じノリで流すなよぉおお!! チーズがいるだろ!!」
「でも、おままごとの面子って言ったらお父さんお母さん兄弟姉妹…ここまで揃ったら後は赤ちゃんかペットでしょう」
「それでも絶対にいやだ!」
「じゃあ最後のひとつですね」
「えっ、まさk
「よーい、はじめっv」


ROUND1 ANPANMAN × ROLLPANNA
「ただいまー」
「……」
「わあ、出迎えてくれてありがとう」
「……」
「今日もたくさん働いたなあ」
「……」
「明日も頑張らないと」
「……」
「今日のごはんはなにかなあ」
「……」
「なにかなあ……」
「……」
「………あ、あの」
「……」
「ロールパンナちゃん…」
「……」
「……ろ、ロール…」
「……」
「…う、うぅう……」

side second
「ロールパンナー、何か喋らないと進まねえぞー!」
「そっか、おねえちゃんおままごとしたことないから…!」
「しょくぱんまんカンペ! 早くしろっ!」
「今やってます! もう、お喋り上手な赤ちゃんですね!」

スケッチブックを掲げるしょくぱんまん。
セコンドに背を向けているアンパンマンには見えない。

「……?」
「ど、どうしたの?」
「いや。(あれを読めばいいのか…)」
「え、ええと…」
「アンパンマン」
「! な、なぁに!?」ほっ
「夕飯の支度はもうできている。先に汗を流したいのなら風呂に入っても構わない」
「う、うん、ありが」
「場合によってはわたしも用意できる」
「わ…わ、わ、わた………」

バッ!!

「あ」振り返ったアンパンマンと目が合うしょくぱんまん

とたとたとた「しょくぱんまぁあん」「はーい、なんですかアンパンマン?」ぱた、ぱたぱたばたばた……

「? 追いかけっこ始めちゃった」
「なんて書いたんだしょくぱんまんのやつ…」

「(わたし、何か失敗したのか…?)」


ROUND2 ANPANMAN × ROLLPANNA
「おまたせロールパンナちゃん」
「とくに待ってない」
「じゃあもう一回やろう」
「わかった。アンパンマン、コートと鞄を預かろう、お勤めごくろうさま」
「ありがとう。じゃあお願いするね(よかった、今度はちゃんとおままごとできそう)」
「……ユミってだれ」
「だれぇえええええええ!!?」
「コートの内側のポケットに、名刺が」
「ししししらない知らない!」
「だれ」ずい
「ほ、ほんとに知らないよ(ちょ、ちょっと、おとうさんのピンチだよ、子はかすがいって言うよね助けてー!)」セコンドにSOSを送るアンパンマン
「さて…じゃあ部屋で勉強してきます。なんてったってわたしは成績優秀学年主席、スポーツ万能品行方正、しかしその才能に溺れずにしっかりこつこつと日頃から勉強する受験生ですから」
「その設定今作ったでしょ! (か、カレーパンマぁン!)」
「ば……ばぶー」
「ここぞとばかりに!」
「だれ?」ずいずい
「わわわ! (メ、メロンパ…)」
「すぅすぅ」
「寝てるー!!」

選手交代

ROUND3 SHOKUPANMAN × CURRYPANMAN
「さて、わたしたちの番です。頑張りましょうね」
「おう! アンパンマンとロールパンナがへました分も完璧にやってやるぜ!」
「えーと、君のことはおまえって呼べばいいんですかね」
「じゃあオレはお前をあなた……って、勝手に決めんなよー!」
「だめですか?」
「だめ! いやだ! オレがおとうさんで、しょくぱんまんがおかあさん!」
「じゃあ聞きますけど、あなたにわたしが養えますか」

「おし、いくぜダーリン」
「はーい。どうします、たわしコロッケサイフステーキどろどろ昼ドラでいきますか? それとも月9コメディの新婚さん?」
「メロンパンナの好みを考えれば…月9新婚さんだろ」

side second
「ロールパンナおねえちゃんがおねえちゃんで、メロンパンナがいもうとで、アンパンマンがおにいちゃんね!」
「ふふふ、メロンパンナちゃん、それじゃいつもと一緒だよ」
「いいの! だってロールパンナおねえちゃんはいつでもメロンパンナのおねえちゃんだもん!」
「メロンパンナ…」
「アンパンマンも、ずうっとあたしのおにいちゃん!」
「…うれしいな、ありがとう。メロンパンナちゃん」

「こらぁ、回覧板回しといてって言っただろ、石鹸買って来てって言っただろ!」
「あなただって、頼んでおいたお掃除やってないじゃないでs
「だ・ぁ・りん! 嫁に敬語使う旦那がどこにいんだよ!」
「……おまえだって、頼んでた掃除やってないじゃ…ない、か………あああ! もういいです! おしまい、おわり!」
「だあっこら、今さら照れるな! オレだって我慢してるんだからな!」
「いらない我慢です、あの子たち全然こっち見てませんし! きょうだいだけでなんか完結してますし!」
「げっほんとだ、ちょっと、おとうさんとおかあさんは!?」
「アンパンマぁン! わたしたちも入れてくださーい」
「おいでー。みんなで一緒に遊ぼう」

試合終了!