「ラブリっちってなんだかわたあめみたいだね」
ラブリっちが自室のソファーで宿題を片付けていると、レッスンから帰ったメロディっちがバイオリンケースを抱え、彼女の隣に身を沈めた。
「わたあめ…かあ……」
鉛筆を口元に持って行き、ラブリっちは思案する。もちろんメロディっちは褒めているのだろうが、長い間アイドルをやっていて人前に良く出、まず優れた容姿を褒められる彼女であっても、食べ物に例えられたことはあまりない。
どう返していいのか解らず、考え込むラブリっちに、只でさえ常時テンションが高いメロディっちは、レッスンを終えて更にハイになっているようで、
「おいしそうってことさ! ああ目に毒とも言うね!」
ラブリっちの耳にぱくりと噛みついた。